便秘薬

突然ですが、誰かに後ろから「ワッ」と驚かされた経験はありますか? 最初はかなりビックリしますが、何回も繰り返されるとそのうち慣れてきて驚かなくなります。なぜこんな話をするのでしょうか? それは便秘薬を飲んだあとの腸の反応と非常に似ているからです。

便秘薬を飲み始めると、最初のうちは驚くほどよく効きます。今までお腹パンパンでツラい思いをしていたので、そのすっきり感に驚かれることでしょう。

しかしそれは最初だけ。使っているうちに体に耐性がついて、しだいに効きが悪くなってくるのです。極端なケースでは、1日に1箱の便秘薬を飲んでいる女性もいるほど。とくに体型を気にする若い女性、モデルなどに多いようです。

わたしは便秘薬を「腸が仕事をしなくなる薬」と考えています。便秘薬は薬物の力で無理に腸を刺激するものです。飲み続けると腸が本来持っている「自力で排便する力」を弱めてしまいます。要するに自ら「飲まないと出ない体質」を作ってしまうのです。

また、便秘薬は腸内にいる善玉菌も一緒に出してしまいます。その後、腸内に棲みつくのは決まって悪さをする悪玉菌です。便秘薬を飲んでいるといつまでたっても善玉菌が定着しません。善玉菌には

  • 便秘を解消する
  • 免疫力が高まる
  • 大腸がんを予防
  • 肌の調子が良くなる

など美容・健康にとても良いはたらきをしますが、その善玉菌を便と一緒に出してしまうのはなんとももったいない話です。

便秘解消の基本は食生活の改善と運動、水分です。どうしても、という場合は仕方がないかもしれませんが、便秘薬では根本的な便秘解消にはならないことを覚えておいてくださいね。

一覧

執筆: | 公開: