ふじゆり的読書『物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために』難波優輝 著。 New!


こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターふじゆりです。

最近の実用書やビジネス書は、タイトルの長いものが多く、表紙から内容をイメージしやすい良さがあります。本書のタイトルも長いのですが、内容をイメージするのは難しいですね。手に取ったのは「物語化批判」の言葉に、なんとなく感じるものがあったから、でした。

著者・難波優輝氏の本を読むのは初めてでした。「分析美学とポピュラーカルチャーの哲学」を専門とする研究者で、美学・哲学関連の学術論文をいくつも発表なさっているようです。著書も多数。本書は学術書ではなく新書ですが、文章には少々難解なところもあり、わたしにとっては少々手強い読書となりました。

さて『物語化批判の哲学』。読み終わっても、内容を要約して説明するのは難しく、講談社のサイト(注)に掲載されている本書からの抜粋の一部が、内容をうまく示唆していましたので、引用しますね。

〝清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。

私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。〟

右はほんの一部分ではありますが、皆さんは心あたるものがあるでしょうか。わたしが「物語化批判」に反応したのは、近年、事業活動・マーケティングの現場で語られる「ストーリーの重要性」に、少々辟易していたからだと気が付きました。例えば、ある商品の背景にある「感情を伴う物語」を提示されたとき。その物語が、商品の購買決定要因の本質的価値(と自分が思うもの)からズレていると、途端に冷めてしまいます。

本書は、著者の主張を読み知るだけでなく、著者の問題提起に対して自分がどのように考えるかをのぞきこむところに、読み甲斐があると思います。ご興味があったら是非チャレンジしてみてください。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
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