その22「自分の住む地域を考えてみる」

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

お友だちと、地域の未来についておしゃべりをする機会がありました。「地域」とか「近所」ってどれぐらいの範囲のことでしょう。人によって感じ方が違うのはもちろん、自分のなかでも何を基準にするかによって、範囲が変わります。そこでまずは「近所」をピックアップしてみました。わたしの場合、ひとつには「徒歩・自転車で行くのに躊躇しない範囲」が近所だという感覚があります。

【徒歩圏内】お茶やさん、美容室、床屋さん、魚市場、八百屋さん、神社、海水浴場、お医者さん(内科・歯科)、薬局、公園、カフェ、洋食屋さん、ケーキ屋さん、お好み焼き屋さん、うどん屋さん、定食屋さん…

【自転車圏内】図書館・歴史資料館、スーパーマーケット、ホームセンター、小学校・中学校、郵便局、銀行ATM、コインランドリー、ほか弁、コンビニ、英会話教室、あんこやさん、干物やさん、パン屋さん…

花祭窯のあるエリアは、福岡・博多から電車で30分ほどの最寄駅から、さらにバスで15分ほどの「やや郊外」です。どちらかといえば「車があった方が便利よね」と言われる場所。でもこうして「あるもの」を数えてみると、生活に必要なものだけでなく、嗜好的な場所もけっこうあることが見えてきました。このほかにもわたしが足を運んでいないだけで、もっといろいろなお店や施設もありそうです。グーグルマップで距離を見てみたら、上に挙げたうちの多くは、花祭窯から半径1キロ以内にありました。

自分の住む地域を考えるには、まずはどんな地域なのかをもっとよく知ることからだなぁ、と地図を見ながら思いました。ここ津屋崎に職住を移転してもうすぐ10年目に入りますが、まだまだ知らないことがたくさんです。足元(地元)を見つめなおすと、もっとワクワクする景色が見えてくるかもしれません。

<日常の禅語>洗面(せんめん)

字の通りに読めば「顔を洗う」ですが、日々心についた塵を洗い落とす「礼」の大切さを説いています。仏事を務めるのに、きれいな心で行わなければ失礼ですよ、と。掃除をしなければ部屋が汚れていくのと同じで、心も洗わなければ塵が積もっていく。毎朝顔を洗うように、心をきれいにしましょうというほどのことです。同様の禅語で「洗心(せんしん)」というものもあります。

ここで「きれいにする」というのは、例えて言えば、ただ顔を水で洗ってきれいにすることであり、化粧をしてきれいに見せるのは「洗面」ではないのだそうです。自然に、加飾なく(ありのままに)、ということですね。

では具体的にどうしたら、心の塵を洗い落とすことができるのでしょうか。わたしはその答えをまだ掴むことができておりません。ただ「毎朝顔を洗うでしょ?それと同じですよ」と言われ、顔を洗う時に一緒に「心をざぶざぶ洗う」イメージを思い浮かべるようになりました。「心をきれいにするって、こういうことね!」とわかる日が来ることを心待ちにしつつ。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
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