こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターのふじゆりです。
あなたが最近美術館に出かけたのは、いつのことでしょうか?
先日読んだ本『アート脳』(PHP研究所 二〇二四年七月初版)によると「週に1回以上アート活動を行うか、少なくとも年に1、2回は文化的な催しに参加する人は、そうでない人よりも生活の満足度が優位に高い」のだとか。この類の説は以前からありますが、近年特に、世界各地で実証実験による根拠が報告されています。
アート活動のなかでも、美術鑑賞は最もお手軽なひとつ。まず道具が何も必要ありませんし、公共の美術館等の常設展なら、入場料もそれほど高くありません。ちなみに福岡市美術館の入場料は二百円。たいていの公共の美術館には、自館の所蔵品を見てもらうための常設展示室があります。
話題性のある特別展を混雑の中観に行くだけでなく、平時にふらっと美術館自体を楽しみに行くのが、わたしのおススメ。展示以外の愉しみとしては、館内に併設したカフェやレストランでゆっくりすること。マニアックな関連書籍や資料を閲覧できる「美術情報コーナー」的な場所も魅力的です。ミュージアムショップに力を入れる館も増えていますので、ここも要チェックですね。
まずは展示を見て、疲れたらランチを食べたりお茶を飲んだり。気になった作品があったら情報コーナーで調べて、帰る前にショップで記念グッズを手に入れる。当日再入場が可能な館では、一度休憩をはさんで、気になった作品をあらためて鑑賞し直すのもおススメです。ボランティアガイドサービスのある館では、ガイドさんの解説を聞きながらまわると、新たな発見があって知見が広がります。
余談ながら、先日わたしが一日美術館で過ごしたときの歩数は八千歩を超えていました。意外と歩いていますね。秋の一日「美術館デー」、ぜひお試しください。
花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)
「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。
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