その11「花祭釜・英国へ 〜つづき」

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

前回はロンドンでの仕事のことを書いたので、今回は仕事以外のことを。ロンドン滞在中の愉しみは、なんといってもミュージアム(美術館・博物館)めぐりです。ロンドン市内の公立ミュージアムのほとんどは、入場料無料(任意の寄付制)。私立財団が運営しているものも「常設展無料」や「子ども無料」の館が多いので、気軽に家族で足を運ぶことができます。地下鉄の駅から比較的近い館が多いのも、訪問しやすさのひとつ。

主なところでは、大英博物館、ナショナルギャラリー、ヴィクトリア&アルバート博物館、自然史博物館、テート・モダンなどの名前が挙がります。これらはいずれも建物のスケールが大きく、展示内容も質・量ともに膨大なので、一度ですべてを見ようとするよりは、何度も足を運びたい場所。どこからどう見たらいいか迷う!というときは、館内のガイドツアーに参加したり、ボランティアガイドさんをお願いすることもできるので、安心です。

館内に入ると、平日なら学校や幼稚園から来た子どもたち、週末なら家族連れがたくさん。スケッチブックに鉛筆を走らせている人もたくさん。あちらこちらにベンチがあるので、ゆっくり休んでいる人もたくさん。老若男女問わず、ミュージアムが生活に密着した場所のひとつであり、くつろぎ楽しめる場所であることがわかる、素敵な景色です。

ロンドン滞在の愉しみのもう一つは、あちらこちらにある大きな公園。グリーンが美しい芝生に、季節の花々。鳥がいて、リスがいて、水辺があって、犬と散歩している人がいて、ランニングをしている人がいて、ベンチでくつろぐ人がいる。今回は宿泊先に近いケンジントンガーデンズとリージェンツパークをゆっくりお散歩しました。ミュージアムで「人の手が生み出した美」を堪能した後は、自然の美を満喫。最高に贅沢な時間を過ごすことができました。

3月の花遊び:木瓜(ボケ)

先月に引き続き、枝もの。木瓜(ボケ)をご近所からいただきました。枝がたくさんついていたので、一度すべて落として、ひと枝づつ組み合わせ直しました。こうすれば、自分の思う方向に生けやすくなります。安定感のある形の花器は、枝ものの強い味方。迷わずサッと生けたい方には、全体の形は大きめでも挿し口が小さい花器がおすすめです。


花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)

「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。

花祭窯(はなまつりがま)
ふじゆりスタイル

一覧

執筆: | 公開: