第53話どんぐりころころヨーロッパの森のお話


今回は「食」から少し離れて

ヨーロッパの森と、鳥と

どんぐりのお話です。

ヨーロッパに行くと

こういった風景がすごく普通にあります。



森と牧草地、森と畑

そして森には

どんぐりの木


日本から長時間のフライトを経て

飛行機が着陸態勢に入ると見えてくる

この景色。

この景色を見ると

 『あ~、ヨーロッパに来たなぁ。』

と感じます。


実はこの景色は、ある生き物なくしては

存在しなかったと言われています。

それがカケスです。

 



 

カケス

Eurasian jay

(Garrulus glandarius)


 

ここっとさん、実は昨年夏の

久々のヨーロッパ旅行で

すごくいいカケスの写真が撮れたんです!


カケスはカラスの仲間で

とても頭がよく(物まねなんかも上手です)

そしてとても警戒心が強く

なかなかいい写真を撮らしてくれません。


なのにばっちり写真が撮れて

めちゃくちゃ嬉しくて

さぁ、どうやって皆さんに紹介しようか。

と思っていたんですよね。


というわけでせっかくの機会

この記事を書くことにしました!


ロンドンで公園を散歩中

鳥たちと遊んでいると


目に入った鳥のおしり・・・



なかなか全身をばっちり写真に撮らして

くれない鳥ですが・・・

割と簡単に見つけられます。



翼の部分に一部

ものすごくきれいな青い羽があって

その色と柄がすごく目立つんです!


このカケスさん、じっとしてくれるみたい。



慌てて望遠に切り替えて写真を撮りました。



このあたりで、ここっとさん既に大興奮です。


フランス10年以上住んでいて

スウェーデンにもトータルで半年以上

滞在しましたが

こんなにきれいなカケス

写真を撮れたのは初めてでした。


さすがイギリス!鳥と人との距離が近い国!


数えきれないくらいの世代にわたって

鳥たちに優しくしてくれていた

イギリスの皆さんに感謝です。


そんなことを思っていると

とうとうすぐ近くまで下りてきてくれました。


ここっとさんが手にしていたクルミが

欲しかったようです。

(あげましたよ~!)


興奮のあまり手元が狂って

いい写真が撮れなかったけど



さてさて、主題に戻って

カケスヨーロッパの森の関係ですが


カケスどんぐりが大好物。

クチバシにくわえて運んで・・・

土に埋めます。


すぐ近くに埋める場合もあれば

時には何キロも離れた地点まで

運んで埋めます。

そして葉などをかけて隠します。


カケスはとても記憶力のいい鳥なので

きちんと掘り起こして食べることができますが

当然ながら一部は食べられずに

残されます。


こうしてどんぐりの木

全く新しい場所に子孫を残すことができるのです。


英語でOak(オーク)

フランス語Chêne (シェーヌ)

と呼ばれるどんぐりの木

オーク材とか、ききますよね)

日本語に訳すのはちょっと難しいです。


オークの仲間は数百種類ありますが

日本語ではその仲間をカシナラ

2つに分けているからです。



日本では、どんぐりの木のうち

常緑樹がカシ(樫)

落葉樹がナラ(楢)

つまり、英語のオーク

フランス語のシェーヌ

カシナラ2つをひっくるめた

コナラ属を表す言葉、ということになります。


オークの木カケス

素晴らしい共生関係にあります。


オークカケスに食べ物を与え

カケスどんぐりを運び、土に埋めます。

そして一部を忘れます。

しかも、カケスが選ぶのは

立派で虫に食われていない

完璧などんぐりばかり!


カケスに埋めてもらえず

土に落ちて乾燥したどんぐり

すぐに発芽能力を失ってしまいますし

発芽することができても

根を土に食い込ませることができません。


どんぐりにとって、浅く埋めてもらう

というのがとてつもなく重要なのです。


リスや一部のネズミたちも

どんぐりを拾って、埋めて蓄えます。

一部は忘れられて発芽しますが

カケスほど長距離を運びませんし

カケスは開けた場所の比較的柔らかい土に

どんぐりを埋める習性があるようです。

それは若い木が育ちやすい環境です。


まさに完璧なパートナーですね!


このカケスさんここっとさんたちを

じっくり観察したかったらしく

長々と写真を撮らせてくれました!


人間が近くにいても、もふっと膨らんで

すっかりリラックスしています。

(お口の食べかすが気になるところですが)


 


正面顔も撮れました!



どんぐりころころどんぶりこ

お池にはまってさあ大変



どんぐりを助けにきてくれたのは

実はドジョウじゃなくて

カケスだった、というお話でした。


(ここっとさん)


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ここっとさん

フランスで10年以上暮らして帰国した経歴を持つここっとさん。ハーフの二人の男の子、そしてインコのマメルリハ、ウロコインコのバジルとの暮らしを綴ったブログが大人気のトップブロガー。ブログタイトル「魅惑のここっとライフ

 

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