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こんにちは。花祭窯おかみ&アートエデュケーターふじゆりです。
この秋は、久しぶりに秋刀魚(サンマ)を楽しむことができました。九月に入ってすぐのころ、料理屋さんをしているお友だちから「今年はサンマが豊漁だよ」と聞き、そういえば去年はサンマを一尾も食べていなかった!と思い出したのでした。食べ物は、できるだけ自分が住んでいる地域に近いところで採れたものを、と心がけていますが、福岡ではサンマは獲れませんので、北海道から三陸沖で獲れたのものになります。それでもやはり、食べたい(笑)。
青魚大好きのわたしにとっては残念なことに、アジやイワシと同様、サンマもいくらでも獲れる時代ではなくなった(今年は豊漁だったけれど)という話を聴きます。住んでいる場所から遠くの海で漁師さんが獲ってくれたものが、我が家の食卓に届くまでの道のりを考えると、秋にサンマを美味しく味わえることは、尚更に貴重で嬉しいことだという気がしてきます。
我が家のふだんの食卓は、魚は歩いて行ける場所にある魚市場で、野菜や玉子やお豆腐は車で十分ほどの農産物直売所で、お米は知り合いの農家さんで、と、気が付けば地産地消に近い購買行動で成り立っています。近所にそういう場所があるのは、地方に住んでいるグッドポイントの一つです。魚市場も野菜の直売所も、基本的には地元で採れ(獲れ)たものが並びますので、旬のものがほとんど。そして旬のものは、その時期にたくさん収穫出来ているものなので、栄養価が高くお値段的にも手に取りやすいという良さがあります。
日本料理には「走り」の文化があって、季節を先取りした食材を使ったり「はつもの」を愛で味わい、縁起を担ぐようなところがあります。こうした粋な文化は料理屋さんにお任せしておいて、ふだんの家での食事では、旬の「盛り」を楽しむのが、理に適っていてお財布にも優しく、つまりは一番贅沢なことなのだと思うのです。
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 花祭窯おかみ・ふじゆり(藤吉有里)
「古伊万里」の名で知られる肥前磁器の伝統工芸文化、技術を基にした窯元「花祭窯」のお内儀。おかみとして窯を支えつつ、自らもアートエデュケーターとしてMeet Me at Artを主宰する。
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