第9回「祖父とクレープ」

こんにちは!
夫と、大学生の息子と、高校生の娘と
4人暮らしのあぽりです♪

前回と、前々回は、
私の父の話を書きましたが、

今回は、祖父の話です。

私は、「おじいちゃん子」でした。

私が産まれた時、
両親は父の実家で同居しており、
まだ学生だった父の兄弟も一緒に暮らしていたので
大家族で育ちました。

私の母は、フルタイムで働いていたので
私を祖父母に預けていました。
祖父は、慣れないながらにも、
一生懸命育ててくれました。

若くても、子育ては大変なのに、
年老いた身体での私の世話は
大変だったと思います。

だけど、植物の話、空の話、虹や飛行機を眺め、
近所には蛍も飛んでいたので、
夜には蛍を見に行ったり、
私にたくさんの事を教えてくれました。

 

中学に入った頃から
お菓子作りにはまっていた私は、
クッキーやプリンなどを作っていたのですが、
この日は、初挑戦のクレープを
作っていました。

出来上がるのをずっと楽しみに待っていた祖父は、
捨てたと知り、
とても驚きました。

あの時の表情…。
本当に悲しそうに、
どんなに失敗しても食べたのに…と言われ、
ちょっと胸がチクンとしたのですが、
「また作るから!」と言って、
その日はそれで終わりました。

 

祖父はそれから間もなくして、
亡くなってしまいました。

今まで大事に育ててきてくれて、
祖父からは、無償の愛を溢れるほどに受け取って来たけれど、
私は何も恩返しをしていない。
クレープは、祖父を喜ばせてあげられる、
唯一の「じーちゃん孝行」だったかもしれないのに。

捨てなきゃ良かった。
失敗しても、一緒に食べれば良かった。

綺麗に出来上がったクレープを、
仏壇に供えました。

クレープを見るたびに、
今でも切ない気持ちが湧き上がるのです。
たぶん私が、
人生の中で、一番後悔した事だと思います。

今日と同じ日が、明日も続くとは限らない。
後悔のないように生きよう、
思えばこの頃から、そう思って
生きてきた気がします。

私に色んな事を教えてくれて、
大事に育ててくれてありがとう。
私は何も恩返しをしていないと
思っていたけれど、
今思うのは、一緒に過ごした10年以上の日々が、
祖父にとっても宝物だったと思います。
きっと空の上から、永遠に私の事を
守ってくれている事でしょう。
今もじーちゃんが大好きです。

(あぽり)

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あぽり

夫、長男、長女との4人家族のアラフィフ世代の主婦。家族や日常のことを描いたブログ「絵日記でございます。」が人気で、その人柄から読者やファンからの信頼も厚い。現在、ライブドア公式ブロガーとして活躍中。あぽりさんのブログはこちら(ライブドアブログ)

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